
有田の町に古くから根付いている「分業」の考え方。そこからさらに一歩進んだ取り組みをご紹介いたします。
幸楽窯では定番商品の生地づくりの作業の一部を、有田の就労継続支援事業所「やきものの里」さんにお願いしています。弊社の工場長である市川が同所で指導員をしており、その時からのお付き合いです。
それまでも別の事業者の方が就労支援は行っていました。しかし、施設はすばらしいのですが、そこで実際につくっている商品は、現実的なニーズとマッチしてないように感じました。
そこで幸楽窯では、被就労支援者の方の能力や人がらを改めて見直したうえで、はじめは小さな箸置きの生地づくりから支援をスタートしていきました。そして、作業をきちんと身につけたのを確かめながら難易度をじょじょに上げていきました。
そのような活動を続けるうちに、デザインで就業支援を行っているアクセンチュアさんと知り合う機会があり、共同で商品開発を行うことになりました。その第1弾としてつくったものがこれです。

父の日の贈り物としてつくったグラスです。多国籍企業であるアクセンチュアさんが20数カ国語で「お父さん、ありがとう」と書いたデザインを、幸楽窯で形作り焼きました。内々で販売したものではありましたが、予定の倍以上売れた商品となりました。
幸楽窯では今後も、新しいものづくりの形も常に模索していきたいと考えています。